三遊亭円楽プロデュースの一大イベント。
大手町~東京のホールを複数借りて、旬の噺家を総動員しての寄席の催し。
春風亭一之輔、立川志の輔狙いで2日目夜の部へ。
1席目は、桂宮治の「たらちね」。笑点の新メンバーとして抜擢されたことに気を良くしてか、終始、観客との遣取り中心の進行。噺というよりもトーク番組のようだった。
2席目は、春風亭一之輔の「あくび指南」。古典に若者のリズム・ビートを刻むスタイルが如何無く発揮されていて、ハイテンポな落語を愉しむことが出来た。
3席目は、立川志の輔の「親の顔」。数年前から披露している新作落語ながら、今回もおおいに笑わせて貰った。今月観に行った独演会でも言っていたが、昨今の悲しい出来事を強く意識して、兎に角馬鹿馬鹿しい噺を、というメッセージ、この日も強く感じた。
仲入りあとの4席目は、桂雀々の「鼻ねじ」。勝手に桜の枝を折られた家主が隣家の唐変木の朴念仁をとっちめるという古典落語の定番だが、さすがは上方落語のベテラン、おおいに笑わせて貰った。
5席目は、桃月庵白酒の「松曳き」。おっちょこちょいで抜けている殿様と家老、周囲で振り回される者たちの様子をハイテンポに描写。数回前の白酒の噺が噛みまくりでつまらなかったのだが、今回は滅茶苦茶面白かった。脳内でドリフのコントの様な光景が再現され、こちらは笑い通しだった。
6席目は、瀧川鯉昇の「茶の湯」。御隠居と小僧が見様見真似でとんでもない茶と点て始めるという噺。年輩の鯉昇扮する御隠居が妙にハマッていてこちらも面白かった。
結果として、お目当ての仲入り前よりも、仲入りあとの3席の方が笑った気がする。矢張り、ライブエンタメは行って見てみないと分からない。