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【催し】林家つる子独演会(第8回)

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林家つる子の独演会へ。
年明け、「"女性の目線"から伝統芸能を再構築する気鋭の女流噺家」としてNHKで取り上げられていたこともあり(私もそれで乗っかった口だが。笑)、会場はギッシリで二つ目とは思えぬ盛況振り。
師匠が林家正蔵という影響からか、1席目「反対俥」は力業で展開。人力車の車夫、乗った客を装い高座の上を正座のままピョンピョン跳ねながら汗だくで話していく。
2席目「ぐつぐつ」は、元は柳家小ゑん新作落語、屋台のおでんの気持ちになって演じるコントの様なテイストの噺。こちらも割と力業で。
仲入り後の3席目は古典落語NHKで取り上げられていた「芝浜」では無く「子分かれ(子は鎹(かすがい))」。此方も芝浜同様に、父親では無く母親目線で噺を全編再構築、序盤〜中盤の母子の遣り取りはかなりの部分自分で創っていっている感じだった。加えて、子への愛情が父性では無く母性のアプローチで描かれているので、かなり違った印象で聞くことが出来、斬新。演じ方も、厳しくて優しい母親おとくを見事に表現していて、おおいに惹きこまれた。
言われて見れば、古典落語の大半は男目線で語られたもの。ダイバーシティSDGsなど舶来言葉も結構だが、和製エンタメを日本人女性の手でごく自然に再構築したものを楽しむのも良いなと思った。

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