イツ原作本の邦訳をコミック化したもの。
原作は、チェルノブイリ事故後に書かれたもので、ドイツで原発事故が起きたら？という想定で物語が進む。
本書籍がドイツ世論を脱原発へと進めたとのあとがきもあったが、これについては｢？｣な印象。それが事実だとしても、結局ドイツ、フランスの原発で作った電力買ってるじゃん、それってどうよ？みたいな現状が今あることを思うと、何か釈然としない。
だが、とても興味深かったのは、本作品が極めて主観的、一般民衆目線で描かれているところ。
何も知らされず、町がザワつく、明らかに不穏な雰囲気なのに自治体・警察は退避行動を取るなと言い続ける、いつになっても何が起きたか発表されない、など何も知らされない民衆の極限の不安が非常に腑に落ちた。
自分は脱原発派ではないが(少なくとも短期的には無理、中長期的にはやるべき)、自己防衛策の必要性を再認識させられた。
