週刊ダイヤモンド17/Sep「商社の正体」で、商社の現状をオサライ出来たら、「そもそも商社の起源って何なんだ?」って疑問が沸いて、手に取った本がコレ。
三井(三越)の祖である三井高利の伝記で、史実に基づいたフィクション本になっている。
商売実績、事件、出店記録などの実録をもとに、高利の心情を推察して物語として書かれている。
とても読みやすい。
単なる江戸時代の商人の伝記本という印象に留まらず、日本の商人イズム(三井イズム)を再発見する経営本としても面白く読める。
即ち、三井は既存の大名・武家御用聞き商人が主戦場としない町民市場を狙ったニッチャーであったこと(マーケットリーダー、フォロワーたることを常に回避し、自分の住むニッチマーケットを充実させることに集中した)こと、高利自身に仕事が付くことを嫌い「任せる人事」「業務マニュアル化」を推進したこと、独自のビジネスモデル(IP)にとことん拘っていたこと、などが分かる。
さて、次は岩崎弥太郎の三菱イズムを解読してみようかな。