楽曲提供:ヒゲダン、オカモトズ、監督:伊藤智彦(「ソードアートオンライン」「世紀末オカルト学院」)ということで、他のアニメ映画を観たときの予告CMを観て、是非観なければと思い、早速鑑賞。
オリジナルストーリーとのことだったが、実に見事に練られたSFで、丹念に張られた伏線の最後の最後の回収は見事、完全にやられてしまった。
また、今作ではOfficial髭男ism、OKAMOTO'Sのほか、Nulbarich、STUTSなどの気鋭のアーティストたちも音楽作りに参画し、一つの映画の全ての音楽をチーム2027soundとして手がけている。この完成度が高くて素直に感動。
ストーリーの軸が京都を舞台とした未来と過去の行き来、その中でOfficial髭男ismが「イエスダデイ」を歌い、OKAMOTO'Sが「新世界」を歌うという粋な取組み。これに応えるべく、話のビジュアルや構成にも細かい配慮がなされており、例えば過去(現在)から始まる「ハローワールド」とラストの未来での「HELLO WORLD」の字体の違いなど、注意深く観れば観るほど作り手の拘りが垣間見られる。全てをデータ化することに成功した未来が、過去の事象を変更・改ざんするシーンは、ビジュアル的に「マトリックス」や「インセプション」を彷彿とさせる。
映像が豪華な音楽アーティストのPVになるでも無く、「ソードアートオンライン」監督が骨太なストーリーに一般アーティストを借りてくるでも無く、実に見事なバランスで、高品質は作品に仕上がっていると感じた。
久しぶりに、映画館に今一度足を運びたい、サントラCDを手元に置いておきたい、と思った。
実写の俳優・女優陣の声優のクオリティは、まあ御愛嬌、ということで。