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【本】小村寿太郎 近代日本外交の体現者

地政学、外交、国防などの書籍で、必ずと言って良いほど言及される人物、小村寿太郎
中学高校で習う日本史では、完全に脇役なので彼に関する知見は殆ど持ち合わせておらず、今回詳しく知ろうと思い、この本を手に取った。
小さな体で走り回る姿から「ねずみ公使」と呼ばれた彼は、地政学上絶対に日本に必須であった韓国の統治権奪取を必達目標としながら、中国、アメリカ、イギリス、ロシアとの臨機応変な外交交渉・戦術を駆使し、日本の帝国主義を軌道に乗せた。
彼の思想や行動を見ていると、国家外交のビジョンがとても明快で、その実現の為に、各国と実に筋の通った、それでいて柔軟な交渉をしていたのかが分かる。
時代は随分と異なるが、北方四島、東シナ油田、竹島などの諸問題を解く鍵が、小村の外交から得られそうな気がする。
増税だ造反だは良いが、10年後50年後の日本の外交・国防・支配領域について、ビシッと示す人が出てこないものだろうか。