2021年11月公開のアニメ映画。
©サマーゴースト
監督loundraw自らがストーリーをおこしたもの。
恥ずかしながらこの監督、存じ上げなかったのだが、｢君の膵臓をたべたい｣｢ジョゼと虎と魚たち｣｢名探偵コナン｣などアニメ映画に参画し、下野紘、雨宮天が声優参加したWebアニメ｢夢が覚めるまで｣では監督・脚本・演出・レイアウト・原画・動画・背景すべてを自ら行ったという多才ぶり。
この作品も40分という長さながら、ストーリーや画づくりなど、非常に丁寧さを感じる内容になっている。
ストーリーは、タイトルの通り、夏に登場する幽霊(声：川栄李奈)と、生きる喜びを感じられない高校生3人(声：小林千晃、島袋美由利、島﨑信長)の交流、生きる喜びへの気づきを瑞々しく描写。
キャラクターはデッサン画の様なタッチ、背景は油絵の様なタッチで、非常に独特な印象を与える。
色味も非常に柔らかく、全編を通じて白い光をあてたシーンは無く、夕暮れ時の橙色、夜の青色の光を意図的に使っているようだ。生を意識させるシーンでは暖色を、死を意識させるシーンでは寒色を用いている。
死を扱った作品ながら、鑑賞後、非常にすっきりした気持ちにさせてくれる。
一点、シンプルな疑問としては、なぜ｢サマー｣ゴーストを、真冬に劇場公開したのか、ということだが。
