2021年10月公開のアニメ映画、長いタイトルの略称はSAO。
©2020 川原 礫/KADOKAWA/SAO-P Project
謂わずと知れた、人気ライトノベル作品のTVアニメ作品の前日譚を描いている。
アニメ作品としてはかなりのロングランで、SAO第1期(25話、2012年7~12月)、第2期(24話、2014年7~12月)、SAOアリシゼーション(24話、2018年10月~2019年3月)、SAOアリシゼーションWar of Underworld(23話、2019年10~12月/2020年7~9月)、SAOオーディナルスケール(劇場版スピンオフ、2017年)という系譜をたどっている。
バーチャルアクションゲームを遊ぶプレイヤーたちが、ゲーム世界をクリアしないと現実世界に戻れなくなってしまう、という近未来SFで、主人公の最強剣士キリト(声:松岡禎丞)とその相棒剣士アスナ(声:戸松遥)を軸に物語が進行する。
今作では、TVシリーズで描かれることの無かった、アスナがゲーム世界に来るきっかけ、前日譚を描いている。
作品PVやポスターで準主人公の様に描かれている女性戦士はミト(声:水瀬いのり)で現実世界でもアスナの親友。
90分強の作品時間の中で、この2人の友情や絆が描かれていくのかと思いきや、それは中盤までで、後半はアスナがキリトに惹かれていく線で物語が進行していき、ミトの影がかなり薄くなる。
ちょっと意外な印象だったが、「こうでありたい自分」と「現実を冷静に受け入れる自分」の葛藤をミトを通じて描くと考えれば合点がいく。なにせ、主人公キリトは、心身ともに強いので、弱い人間の代表として描写は無理なので。
そして、TVシリーズ1作目登場時(2012年)でも感心した戦闘シーンの描写は約9年経過した今作では更にパワーアップ。迫力あるビジュアルと音に驚かされる。
この前日譚は、更に続きがあるようで、劇場版連作形式になっている模様。続き、早く観たい。