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【漫画】センゴク外伝 桶狭間戦記1~5(完)

(2011年8月読了)
ちょっと前になるが、『センゴク外伝 桶狭間戦記』が終わった。
仙石秀久を描いた『センゴク』のスピンオフにあたる本作は、今川義元織田信長桶狭間相見えるまでを描いている。
今川義元の名君たる所以を細かに描いていることも興味深いが、それよりも織田信長の斬新な経済・流通政策のルーツを描いているという点でとても面白い。
東日本最古の分国法「仮名目録」を制定して、領民を統治、「コメ」の安定収入を図って国土強化する義元に対し、小国の領主であった信長は全く異なる切り口で国力強化を狙った。近隣の商人衆との同盟、港湾機能の掌握によって「カネ」「モノ」の流れを抑えた。結果は御存じのとおりで、その後も信長は、流通の要衝琵琶湖の制圧、室町幕府副将軍職を蹴って堺の統治権を得たりと、「カネ」「モノ」の掌握に邁進していく。
著者宮下英樹は、恐らく論文や書物からこの斬新な切り口に賛同したのだろうが、その地味な観点をマンガとしてビジュアル化しているのが凄い。