ドイツ作家の絵本、というべきかちょっとした挿絵入りの小物語。
登場する王様は、大きく生まれてだんだん小さくなっていくという、人間界と逆の年の取り方をする。
その王様が主人公の冴えない中年男性との掛合いを繰り返していく。
人が成長するとはどういうことなのか、果たして僕らは日々「成長」しているのか、を自問したくなる。
また、知見を積んでいくということは、無駄がなくたったり、欲が無くなっていくことに繋がるのであれば、それは理屈的にはミニマリズム(最小限主義)に向かうべきで、今の膨張特性しか持たない資本主義への強烈なアンチテーゼと採れなくもない。
何気なく手に取ったが、読後に色々考えさせられる内容だった。