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【アニメ】【映画】すずめの戸締まり

2022年11月公開のアニメ映画。
新海誠監督のカタストロフィ3部作とカテゴライズされる3作目。
「君の名は。」(2016年)は隕石落下、「天気の子」(2019)は異常降水・洪水を描き、今作では大地震をテーマに扱った物語となっている。
地震を引き起こすミミズを鎮めるために日本の東西に置かれた要石(かなめいし)、それが抜けてしまったことで開いてしまった震災の扉を閉じて震災を鎮めていく「閉じ師」の青年と彼に関わることになった少女の様子を描いている。
要石は日本に存在する話(茨城の鹿島神宮と千葉の香取神宮のものが主たるもの)や、地震を引き起こす怪異(竜やナマズが一般的)の話も神話や地域伝承に依拠するものだが、それをファンタジー物語に昇華させている点は流石。
また、震災を扱うということで、今作では東日本大震災がフィーチャーされている。世の中的に、災害発生から日が浅ければ取扱いにセンシティブになるし、日が経てば風化させぬ為にとなるものだが、約12年経過したこのタイミングで触れたのは絶妙なタイミングではなかろうか。しかも、特に惨たらしいシーンがある訳では無く、震災遺児である少女の心の再生を瑞々しく描いているので、ファンタジー物語として観ることが出来る。
かわいらしいキャラクターも多数登場、物語の盛り上がりもふんだんに盛り込まれており、3部作の中で最もエンターテインメント要素の濃い作品に感じた。

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